ひのようじんのこと
火の用心の事

冒頭文

紅葉先生(こうえふせんせい)在世(ざいせい)のころ、名古屋(なごや)に金色夜叉夫人(こんじきやしやふじん)といふ、若(わか)い奇麗(きれい)な夫人(ふじん)があつた。申(まを)すまでもなく、最大(さいだい)なる愛讀者(あいどくしや)で、宮(みや)さん、貫一(くわんいち)でなければ夜(よ)も明(あ)けない。 ——鬘(かつら)ならではと見(み)ゆるまでに結做(ゆひな)したる圓髷(まるまげ)の

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 鏡花全集 巻二十七
  • 岩波書店
  • 1942(昭和17)年10月20日