ごがつより
五月より

冒頭文

五月(ごぐわつ) 卯(う)の花(はな)くだし新(あらた)に霽(は)れて、池(いけ)の面(おも)の小濁(さゝにご)り、尚(な)ほ遲櫻(おそざくら)の影(かげ)を宿(やど)し、椿(つばき)の紅(くれなゐ)を流(なが)す。日(ひ)闌(た)けて眠(ねむ)き合歡(ねむ)の花(はな)の、其(そ)の面影(おもかげ)も澄(す)み行(ゆ)けば、庭(には)の石燈籠(いしどうろう)に苔(こけ)やゝ青(あを)うして

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 鏡花全集 巻二十七
  • 岩波書店
  • 1942(昭和17)年10月20日