いっせきばなし
一席話

冒頭文

上總國(かづさのくに)上野郡(かうづけぐん)に田地(でんぢ)二十石(にじつこく)ばかりを耕(たがや)す、源五右衞(げんごゑ)と云(い)ふ百姓(ひやくしやう)の次男(じなん)で、小助(こすけ)と云(い)ふのがあつた。兄(あに)の元太郎(もとたらう)は至極(しごく)實體(じつてい)で、農業(のうげふ)に出精(しゆつせい)し、兩親(りやうしん)へ孝行(かうかう)を盡(つく)し、貧(まづ)しい中(なか)に

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 鏡花全集 巻二十七
  • 岩波書店
  • 1942(昭和17)年10月20日