いざよい
十六夜

冒頭文

一 きのふは仲秋(ちうしう)十五夜(じふごや)で、無事(ぶじ)平安(へいあん)な例年(れいねん)にもめづらしい、一天(いつてん)澄渡(すみわた)つた明月(めいげつ)であつた。その前夜(ぜんや)のあの暴風雨(ばうふうう)をわすれたやうに、朝(あさ)から晴(は)れ〴〵とした、お天氣模樣(てんきもやう)で、辻(つじ)へ立(た)つて日(ひ)を禮(れい)したほどである。おそろしき大地震(おほぢしん

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 鏡花全集 巻二十七
  • 岩波書店
  • 1942(昭和17)年10月20日