ふたりのやくにん
二人の役人

冒頭文

その頃(ころ)の風穂(かざほ)の野はらは、ほんとうに立派(りっぱ)でした。 青い萱(かや)や光る茨(いばら)やけむりのような穂を出す草で一ぱい、それにあちこちには栗(くり)の木やはんの木の小さな林もありました。 野原は今は練兵場(れんぺいじょう)や粟(あわ)の畑(はたけ)や苗圃(なえばたけ)などになってそれでも騎兵(きへい)の馬が光ったり、白いシャツの人が働(はたら)いたり、汽

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • イーハトーボ農学校の春
  • 角川文庫、角川書店
  • 1996(平成8)年3月25日