だいかわ
台川

冒頭文

もうでかけましょう。たしかに光がうごいてみんな立ちあがる。腰(こし)をおろしたみじかい草。かげろうか何かゆれている。かげろうじゃない。網膜(もうまく)が感(かん)じただけのその光だ。 さあでかけましょう。行きたい人だけ。まだ来ないものは仕方(しかた)ない。さっきからもう二十分も待(ま)ったんだ。もっともこのみちばたの青いいろの寄宿舎(きしゅくしゃ)はゆっくりして爽(さわや)かでよかったが。 こ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • イーハトーボ農学校の春
  • 角川文庫、角川書店
  • 1996(平成8)年3月25日