デモクラシーのようそ |
デモクラシーの要素 |
冒頭文
片言ながらも外国に後れなかった思想 明治の初年頃には随分思いきった政治論も社会改良論も行われた。さすがに知識を世界に求むるという御旨意(ごしい)の発表された際であっただけに、外国の思想を危険なりなどという者なく、上下共にこれを歓迎し、旧来の陋習(ろうしゅう)を打破するに更に躊躇しなかった、その頃盛に行われた標語は自由民権であった。殊(こと)に自由なる言葉は当時の人々には耳新しく聞えた、従
文字遣い
新字新仮名
初出
「実業之日本 二二巻三号」実業之日本社、1919(大正8)年2月1日
底本
- 新渡戸稲造論集
- 岩波文庫、岩波書店
- 2007(平成19)年5月16日