イエスキリストのゆうぎ
イエスキリストの友誼

冒頭文

私はちと所要あって田舎の方へ参っていたが今日この席に立て標題のようなお話しをするようにとのこと、この日に限って御無沙汰するのも何だか気持がわるいし、またこの日を撰(えらん)で友を避けるというのも四十八ヶ年以来の習慣方度(ほうど)に背(そむ)く。これゃ一つ参らねばなるまいといよいよ決心の臍(ほぞ)を固めて今朝田舎を後に都上りを致したようなわけである。こう申すと何だか皆様に恩を着せるようだがあまり有難

文字遣い

新字新仮名

初出

「明治の女子 五巻七号」日本基督教女子青年会、1908(明治41)年8月15日

底本

  • 新渡戸稲造論集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 2007(平成19)年5月16日