じんかくのようせい
人格の養成

冒頭文

久振(ひさしぶり)で東京へ帰ッて参りまして、安心して休むつもりであッたところが、突然お呼出しになりまして、定めし何(な)にか御馳走でもあるじゃろうと思ッて来たところが、二階の階段(はしごだん)で演説をという命令である。台湾から帰ッたばかりで、とても面白い話など出来る次第でもなし、けれども台湾に行ッたからというて、舌を落して来たという訳でもなし、日本語を忘れたという訳でもないからして、絶対的にお話出

文字遣い

新字新仮名

初出

「をんな 五巻四号」大日本女学会、1905(明治38)年4月15日

底本

  • 新渡戸稲造論集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 2007(平成19)年5月16日