ようゆうとほうげん |
楊雄と法言 |
冒頭文
從來漢土儒林の人を觀るに、漢の楊雄程其人物學問に對する評價の一致せぬものはない。一方に於て、孟子以後の第一人と尊崇さるゝかと思へば、また他方では利祿を貪り、權勢に阿り、全く道義羞惡の念なき、人格陋劣のしれもので、其學術亦た淺薄にして見るに足らずと、一概に罵詈をあびせかけられて居る。元來何れの國、何れの時代でも、また帝王政治家學者たるとに論なく、其生時には毀譽相半したものが、どうかの調子で、其人既に
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「支那学 第三卷第六號」1923(大正12)8月
底本
- 支那学文藪
- みすず書房
- 1973(昭和48)年4月2日