げんじものがたり 52 あずまや
源氏物語 52 東屋

冒頭文

ありし世の霧来て袖を濡(ぬ)らしけりわり なけれども宇治近づけば  (晶子) 源右大将は常陸守(ひたちのかみ)の養女に興味は覚えながらも、しいて筑波(つくば)の葉山繁山(しげやま)を分け入るのは軽々しいことと人の批議するのが思われ、自身でも恥ずかしい気のされる家であるために、はばかって手紙すら送りえずにいた。ただ弁の尼の所からは母の常陸夫人へ、姫君を妻に得たいと薫(かおる)が熱

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 全訳源氏物語 下巻
  • 角川文庫、角川書店
  • 1972(昭和47)年2月25日改版