げんじものがたり 51 やどりぎ
源氏物語 51 宿り木

冒頭文

あふけなく大御(おほみ)むすめをいにしへの人 に似よとも思ひけるかな  (晶子) そのころ後宮(こうきゅう)で藤壺(ふじつぼ)と言われていたのは亡き左大臣の女(むすめ)の女御(にょご)であった。帝(みかど)がまだ東宮でいらせられた時に、最も初めに上がった人であったから、親しみをお持ちになることは殊に深くて、御愛情はお持ちになるのであったが、それの形になって現われるようなこともな

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 全訳源氏物語 下巻
  • 角川文庫、角川書店
  • 1972(昭和47)年2月25日改版