げんじものがたり 49 あげまき
源氏物語 49 総角

冒頭文

心をば火の思ひもて焼かましと願ひき 身をば煙にぞする     (晶子) 長い年月馴(な)れた河風(かわかぜ)の音も、今年の秋は耳騒がしく、悲しみを加重するものとばかり宇治の姫君たちは聞きながら、父宮の御一周忌の仏事の用意をしていた。大体の仕度(したく)は源中納言と山の御寺(みてら)の阿闍梨(あじゃり)の手でなされてあって、女王(にょおう)たちはただ僧たちへ出す法服のこと、経巻の

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 全訳源氏物語 下巻
  • 角川文庫、角川書店
  • 1972(昭和47)年2月25日改版