びてきせいかつろんとニイチェ
美的生活論とニイチエ

冒頭文

高山君の「美的生活論」を一読せる吾等は、不覚拍案快哉を呼び、心窃かに以為(おもへ)らく。これ実に空谷の跫音也、現代の文士は両手を挙げて之を賛すべしと、然れども事実は此の如くならざりき。これそも〳〵何の故ぞ。 吾等は吾国批評家の文を読むごとに、その論難の多くは、語の概念の争に止まり、議論の大体に通ずること少なきを歎ぜざる能はず。漫(みだり)に自己の心を以て他人を忖度し揣摩臆測を以て無用の文字を重ね

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 近代浪漫派文庫 14 登張竹風 生田長江
  • 新学社
  • 2006(平成18)年3月12日