つゆはぎ
露萩

冒頭文

「これは槙(まき)さん入(い)らっしゃい。」「今晩は——大した景気ですね。」「お化(ばけ)に景気も妙ですが、おもいのほか人が集りましたよ。」 最近の事である。……今夜の怪談会の幹事の一人に、白尾(しらお)と云うのが知己だから槙を別間に迎えながら、 「かねがね聞いております。何時(いつ)も、この会を催しますのに、故(わざ)とらしく、凄味、不気味の趣向をしますと、病人が出来たり、怪我があったりすると

文字遣い

新字新仮名

初出

「女性」1924(大正13)年10月号

底本

  • 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 2009(平成21)年7月10日