げんじものがたり 36 かしわぎ |
| 源氏物語 36 柏木 |
冒頭文
死ぬる日を罪むくいなど言ふきはの涙 に似ざる火のしづくおつ (晶子) 右衛門督(うえもんのかみ)の病気は快方に向くことなしに春が来た。父の大臣と母夫人の悲しむのを見ては、死を願うことは重罪にあたることであると一方では思いながらも、自分は決して惜しい身でもない、子供の時から持っていた人に違った自尊心も、ある一つ二つの場合に得た失望感からゆがめられて以来は厭世(えんせい)的な思想になって、出家を
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 全訳源氏物語 中巻
- 角川文庫、角川書店
- 1971(昭和46)年11月30日改版