あぜみち
畦道

冒頭文

國府臺から中山を過ぎて船橋の方へと松林に蔽はれた一脈の丘陵が延長してゐる。丘陵に沿うてはひろ〴〵した平野が或は高く或は低く、ゆるやかに起伏(きふく)して、單調な眺望にところ〴〵畫興を催すに足るべき變化を示してゐる。 市川に移り住んでから、わたくしは殆ど毎日のやうに處を定めずそのあたりの田舍道を歩み、人家に遠い松林の中または窪地の草むらに身を沒して、青空と雲とを仰ぎ、小鳥と風のさゝやきを聞

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 葛飾こよみ
  • 毎日新聞社
  • 1956(昭和31)年8月25日