げんじものがたり 28 のわき
源氏物語 28 野分

冒頭文

けざやかにめでたき人ぞ在(い)ましたる野 分が開(あ)くる絵巻のおくに  (晶子) 中宮(ちゅうぐう)のお住居(すまい)の庭へ植えられた秋草は、今年はことさら種類が多くて、その中へ風流な黒木、赤木のませ垣(がき)が所々に結(ゆ)われ、朝露夕露の置き渡すころの優美な野の景色(けしき)を見ては、春の山も忘れるほどにおもしろかった。春秋の優劣を論じる人は昔から秋をよいとするほうの数が

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 全訳源氏物語 中巻
  • 角川文庫、角川書店
  • 1971(昭和46)年11月30日改版