ゆきどけみず
雪解水

冒頭文

何をくよくよ川ばた柳、水の流れを見てくらす 此俗謠は誰の作で、いつの頃から市井の唄となつて流行しだしたかはまだ調べてみないが、よほどの苦勞人の作であらう。ここで歌はれてゐる水の流れといふのは人生の象徴にもなつてゐるので、そこで一種洒脱の人生觀をもうたひ得てゐるのであらう。 水の流れに就て方丈記の作者ならずとも、私などでさへ見ても見ても飽ない大きい魅力を藏してゐる。河は春夏秋冬、それ

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 信濃詩情
  • 明日香書房
  • 1946(昭和21)年12月15日