ぶっぽうそう
仏法僧

冒頭文

最近佛法僧の事が流行の状態となり、その正體が明らかにされて來た爲か、昔「佛法僧」といふ名を聞いただけで一種の神祕的な幻影を心に投げた時代は過ぎたといふ感がある。 私が佛法僧といふ鳥の事を初めて讀んだのは今から二十幾年の以前、上田秋成の「雨月物語」の中で讀んだ卷之三「佛法僧」の一文の中であつた。拜志氏の人夢然といふ老人が季の子作之治といふを連れて高野山に詣で、その靈廟の片隅に宿り夜を明した

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 信濃詩情
  • 明日香書房
  • 1946(昭和21)年12月15日