たき

冒頭文

瀧を見ることはたのしいことです。 瀧は私はどんな小さい瀧でも、たとへば行きずりに見るほどのものでも、必ず一寸立ち止まつてその水の音をきゝ、碎け落つる白泡を見て一瞬たのしい心になる程好きなのであります。 私は近年、夏を郷里の信濃下諏訪町のカメヤホテルといふ古風な旅館にすごす事に定つてしまひましたが、それはその家の人々が家族的に親切であるといふ事も大きい原因ですけれど、一つはその家

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 信濃詩情
  • 明日香書房
  • 1946(昭和21)年12月15日