びょうしょうせんご
病牀譫語

冒頭文

(一) ◎政治家とならんか、文学者とならんか、我は文学者を択(えら)ばん。政治家の技能はその局に当りその地位を得るに非ざれば見(あらわ)れず。その局に当りその地位を得るは一半は材能により一半は年歯(ねんし)による。たとひ材能の衆に超ゆるあるも年歯の少きは遂に奈何(いかん)ともするなきなり。英のピツトの例は再びあるべからず。一般の例に拠るに少くも四十歳を越えざれば天下を動かす能はず。病躯蠢々(

文字遣い

新字旧仮名

初出

「日本附録週報」1899(明治32)年3月13日、3月20日、3月27日、4月3日、4月24日

底本

  • 飯待つ間
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1985(昭和60)年3月18日