げんじものがたり 24 こちょう
源氏物語 24 胡蝶

冒頭文

盛りなる御代(みよ)の后(きさき)に金の蝶(てふ)しろがねの 鳥花たてまつる      (晶子) 三月の二十日(はつか)過ぎ、六条院の春の御殿の庭は平生にもまして多くの花が咲き、多くさえずる小鳥が来て、春はここにばかり好意を見せていると思われるほどの自然の美に満たされていた。築山(つきやま)の木立ち、池の中島のほとり、広く青み渡った苔(こけ)の色などを、ただ遠く見ているだけでは

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 全訳源氏物語 中巻
  • 角川文庫、角川書店
  • 1971(昭和46)年11月30日改版