げんじものがたり 22 たまかずら
源氏物語 22 玉鬘

冒頭文

火のくににおひいでたれば言ふことの 皆恥づかしく頬(ほ)の染まるかな(晶子) 年月はどんなにたっても、源氏は死んだ夕顔のことを少しも忘れずにいた。個性の違った恋人を幾人も得た人生の行路に、その人がいたならばと遺憾に思われることが多かった。右近は何でもない平凡な女であるが、源氏は夕顔の形見と思って庇護するところがあったから、今日では古い女房の一人になって重んぜられもしていた。須磨

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 全訳源氏物語 中巻
  • 角川文庫、角川書店
  • 1971(昭和46)年11月30日改版