げんじものがたり 21 おとめ
源氏物語 21 乙女

冒頭文

雁(かり)なくやつらをはなれてただ一つ初恋 をする少年のごと     (晶子) 春になって女院の御一周年が過ぎ、官人が喪服を脱いだのに続いて四月の更衣期になったから、はなやかな空気の満ち渡った初夏であったが、前斎院はなお寂しくつれづれな日を送っておいでになった。庭の桂(かつら)の木の若葉がたてるにおいにも若い女房たちは、宮の御在職中の加茂の院の祭りのころのことを恋しがった。源氏

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 全訳源氏物語 上巻
  • 角川文庫、角川書店
  • 1971(昭和46)年8月10日改版