げんじものがたり 18 まつかぜ |
源氏物語 18 松風 |
冒頭文
あぢきなき松の風かな泣けばなき小琴 をとればおなじ音を弾(ひ)く (晶子) 東の院が美々しく落成したので、花散里(はなちるさと)といわれていた夫人を源氏は移らせた。西の対から渡殿(わたどの)へかけてをその居所に取って、事務の扱い所、家司(けいし)の詰め所なども備わった、源氏の夫人の一人としての体面を損じないような住居(すまい)にしてあった。東の対には明石(あかし)の人を置こう
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 全訳源氏物語 上巻
- 角川文庫、角川書店
- 1971(昭和46)年8月10日改版