ろくろくび
ろくろ首

冒頭文

五百年ほど前に、九州菊池の侍臣に磯貝平太左衞門武連(たけつら)と云う人がいた。この人は代々武勇にすぐれた祖先からの遺伝で、生れながら弓馬の道に精しく非凡の力量をもっていた。未だ子供の時から劒道、弓術、槍術では先生よりもすぐれて、大胆で熟練な勇士の腕前を充分にあらわしていた。その後、永享年間(西暦一四二九—一四四一)の乱に武功をあらわして、ほまれを授かった事たびたびであった。しかし菊池家が滅亡に陥っ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 小泉八雲全集第八卷 家庭版
  • 第一書房
  • 1937(昭和12)年1月15日