げんじものがたり 14 みおつくし
源氏物語 14 澪標

冒頭文

みをつくし逢(あ)はんと祈るみてぐらもわ れのみ神にたてまつるらん (晶子) 須磨(すま)の夜の源氏の夢にまざまざとお姿をお現わしになって以来、父帝のことで痛心していた源氏は、帰京ができた今日になってその御菩提(ごぼだい)を早く弔いたいと仕度(したく)をしていた。そして十月に法華経(ほけきょう)の八講が催されたのである。参列者の多く集まって来ることは昔のそうした場合のとおりであ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 全訳源氏物語 上巻
  • 角川文庫、角川書店
  • 1971(昭和46)年8月10日改版