きらい
帰来

冒頭文

1 千九百二十三年の七月、私は、独逸を出てから、和蘭・白耳義を経て再びパリにはひつた。其処の美術館で、前に見た目ぼしいものを見なほしたり、前に見のこして置いたものを見たりするのが私の主たる目的だつた。その月の二十七日の午後、私はルーヴルの大玄関をはひつて直ちに右に折れ、Galerie Mollien を突当つて同じ名を負ふ階段を二階に上り、左折して仏蘭西初期の画廊に入ると間もなく、又三階に上

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻94 江戸
  • 作品社
  • 1998(平成10)年12月25日