ひゃくじつこう
百日紅

冒頭文

昔俳句を作りはじめた時分に、はじめて百日紅といふ樹を見た。それ迄も見たことがあつたのかも知れないが、一向気がつかなかつた。成程(なるほど)百日紅といふ名前のある通り真赤な花が永い間咲いてゐるものであるわいとつく〴〵其梢を眺めた。又さるすべりといふ別の名前のある通り木の膚のすべつこいものではあると、其皮の無いやうな膚をもつく〴〵見た。 其後百日紅といふ題で句作する時分に、私の頭の中では、真

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 花の名随筆7 七月の花
  • 作品社
  • 1999(平成11)年6月10日