こばやしひでおしょうろん
小林秀雄小論

冒頭文

機敏な晩熟児といふべき此の男が、現に存するのだから僕は機敏な晩熟児が如何にして存る(ママ)かその様を語らうと思ふ。 この男は意識的なのです。そして意識はどつちみち人を悲しませるものです。然るにその悲しみ方に色々ある。そしてこの男について言つてみれば、この男はその悲しむ段となつてはまるで無意識家と同しなのです。それは私にこの男の意志が間断しないことを知らせます。 けれども、悲しむ段と

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 新編中原中也全集 第四巻 評論・小説
  • 角川書店
  • 2003(平成15)年11月25日