かりぶとのうじょうのかいほう
狩太農場の解放

冒頭文

それは自己の良心の満足を得る 已む可らざる行為 私が胆振国狩太農場四百数十町歩を小作人の為に解放して数ヶ月になりますが、其儘小作人諸君の前に前記の土地を自由裁量に委ねる事は私が彼の土地を解放した精神である狩太農場民の自治共存を永久ならしめ延いて漸次附近村落を同化して行き得る如き有力なる団体たらしめる上に於て尚多少徹底しない所があるので狩太農場民の規約なるものを作り私の精神を徹底したい考

文字遣い

新字旧仮名

初出

「小樽新聞」1923(大正12)年5月20日、21日(9817号、9818号)

底本

  • 有島武郎全集第九卷
  • 筑摩書房
  • 1981(昭和56)年4月30日