げんじものがたり 05 わかむらさき
源氏物語 05 若紫

冒頭文

春の野のうらわか草に親しみていとお ほどかに恋もなりぬる   (晶子) 源氏は瘧病(わらわやみ)にかかっていた。いろいろとまじないもし、僧の加持(かじ)も受けていたが効験(ききめ)がなくて、この病の特徴で発作的にたびたび起こってくるのをある人が、 「北山の某(なにがし)という寺に非常に上手(じょうず)な修験僧(しゅげんそう)がおります、去年の夏この病気がはやりました時など

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 全訳源氏物語 上巻
  • 角川文庫、角川書店
  • 1971(昭和46)年8月10日改版