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冒頭文
たぶん五六年前のことと覚えてゐる。私の歌の友だちの栗原潔子さんが小野小町の墓を訪ねる歌を十首ばかりの連作にして、どこかの雑誌に出したことがある。作者が何かの用事で栗橋の近くまで行つたとき、むかし小町が都にも住みきれず落ちぶれきつてみちのくへ行く旅の途中、その辺の路傍に死んでしまつたのを、里びとがそこに葬つたという言伝へがあるのださうで、それは嘘かほんとか、あるひは別人の墓であるかもしれないと断つて
文字遣い
新字旧仮名
初出
「美しい暮しの手帖 三号」暮しの手帖社、1949(昭和24)年4月
底本
- 燈火節
- 月曜社
- 2004(平成16)年11月30日