わかむらさき
わか紫

冒頭文

みつぎもの  裏関所  丁か半か  室咲  日金颪  神妙候御曹子  黒影白気  梅柳 みつぎもの 一 伊豆のヒガネ山(やま)は日金と書いて、三島峠、弦巻山(つるまきやま)、十国峠と峰を重ね、翠(みどり)の雲は深からねど、冬は満山の枯尾花、虚空に立ったる猪(いのしし)見るよう、蓑毛(みのげ)を乱して聳(そび)えたり。 読本(よみほん)ならば氷鉄(ひがね)といおう、その頂から伊豆の海へ、

文字遣い

新字新仮名

初出

「新小説 第十年第一卷」1905(明治38)年1月

底本

  • 泉鏡花集成2
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1996(平成8)年4月24日