王宙は伯父の室(へや)を出て庭におり、自個(じぶん)の住居へ帰るつもりで植込(うえこみ)の竹群(たけむら)の陰(かげ)を歩いていた。夕月がさして竹の葉が微(かすか)な風に動いていた。この数日の苦しみのために、非常に感情的になっている青年は、歩いているうちにも心が重くなって、足がぴったりと止ってしまった。……もうこの土地にいるのも今晩限りだ、倩(せい)さんとも、もう永久に会われない、これまでは、毎日