せかいかいだんめいさくしゅう 18 ぼたんとうき
世界怪談名作集 18 牡丹灯記

冒頭文

元(げん)の末には天下大いに乱れて、一時は群雄割拠の時代を現出したが、そのうちで方谷孫(ほうこくそん)というのは浙東(せきとう)の地方を占領していた。彼は毎年正月十五日から五日のあいだは、明州府の城内に元霄(げんしょう)(陰暦正月十五日の夜)燈(とう)をかけつらねて、諸人に見物を許すことにしていたので、その宵(よい)よいの賑わいはひと通りでなかった。 元の至正(しせい)二十年の正月である

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 世界怪談名作集 下
  • 河出文庫、河出書房新社
  • 1987(昭和62)年9月4日