北の国も真夏のころは花よめのようなよそおいをこらして、大地は喜びに満ち、小川は走り、牧場の花はまっすぐに延び、小鳥は歌いさえずります。その時一羽(わ)の鳩(はと)が森のおくから飛んで来て、寝(ね)ついたなりで日をくらす九十に余るおばあさんの家の窓(まど)近く羽を休めました。 物の二十年も臥(ふ)せったなりのこのおばあさんは、二人(ふたり)のむすこが耕すささやかな畑地(はたち)のほかに、窓越(ま