かなしきじょおう
かなしき女王

冒頭文

ミストの島スケエの城の高い壁のかげに二人の男が縛られて倒れていた。 一人は「はげ」と綽名されたウルリック、一人は琴手コンラであった。多くの櫓船が海峡に沈んだ時、ゲエルもゴールも血に赤い波に沈んで、ただこの二人だけが生き残った。 長いあいだ二人は波の上に一本の同じ檣(ほばしら)の上に揺られていた——それは「長髪」と綽名されたスヴェンが一艘ごとに二十人を乗り組ました櫓船二十を従えて

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • かなしき女王 ケルト幻想作品集
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 2005(平成17)年11月10日