ぶんらくざのにんぎょうしばい
文楽座の人形芝居

冒頭文

日本文化協会の催しで文楽座の人形使いの名人吉田文五郎(よしだぶんごろう)、桐竹紋十郎(きりたけもんじゅうろう)諸氏を招いて人形芝居についての講演、実演などがあった。竹本小春太夫(たけもとこはるたゆう)、三味線鶴沢重造(つるさわじゅうぞう)諸氏も参加した。人形芝居のことをあまり知らない我々にとってはたいへんありがたい催しであった。舞台で見ているだけではちょっと気づかないいろいろな点をはっきり教えられ

文字遣い

新字新仮名

初出

「思想」1935(昭和10)年8月号

底本

  • 和辻哲郎随筆集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1995(平成7)年9月18日