『ぐうぞうさいこう』じょげん |
『偶像再興』序言 |
冒頭文
一 偶像破壊が生活の進展に欠くべからざるものであることは今さら繰り返すまでもない。生命の流動はただこの道によってのみ保持せらる。我らが無意識の内に不断に築きつつある偶像は、注意深い努力によって、また不断に破壊せられねばならぬ。 しかし偶像は何の意味もなく造られるのではない。それは生命の流動に統一ある力強さを与えるべく、また生命の発育を健やかな豊満と美とに導くべく、生活にとって欠
文字遣い
新字新仮名
初出
「偶像再興」岩波書店、1918(大正7)年11月
底本
- 偶像再興・面とペルソナ 和辻哲郎感想集
- 講談社文芸文庫、講談社
- 2007(平成19)年4月10日