ぼうれいかいびょうやしき |
| 亡霊怪猫屋敷 |
冒頭文
怪しき老婆 この物語は、昨年の秋の末、九州のごく西のはずれの大村という城下町の、その侍小路のふるい屋敷町におこったできごとです。 だいたいこのあたりは、そのむかし、おもだった藩士たちの屋敷跡で、むかしは裃(かみしも)に両刀をたばさんだ、登城すがたの侍たちの往来でにぎわっていたのでしょう。いずれも百年、二百年と年をへたむかしの屋敷ばかり……。が、いまはいたずらにおいしげったけやきやかしの老木に
文字遣い
新字新仮名
初出
「少女の友」1951(昭和26)年8月~1952(昭和27)5月
底本
- 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
- 中央書院
- 1994(平成6)年7月29日