第一章 逮捕・グルゥバッハ夫人との 対話・次にビュルストナー嬢 誰かがヨーゼフ・Kを誹謗(ひぼう)したにちがいなかった。なぜなら、何もわるいことをしなかったのに、ある朝、逮捕されたからである。彼の部屋主グルゥバッハ夫人の料理女は、毎日、朝の八時ごろに朝食を運んでくるのだったが、この日に限ってやってはこなかった。そういうことはこれまであったためしがなかった。Kはなおしばらく待ち、枕(まくら)に