きゅうぶんにほんばし 24 おにめがねとかなくそぶとり(ぞくきゅうぶんにほんばし・そのさん)
旧聞日本橋 24 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり(続旧聞日本橋・その三)

冒頭文

堀留(ほりどめ)——現今(いま)では堀留町となっているが、日本橋区内の、人形町通りの、大伝馬町二丁目後(うしろ)の、横にはいった一角が堀留で、小網町河岸(かし)の方からの堀留なのか、近い小舟町にゆかりがあるのか、子供だったわたしに地の理はよく分らなかったが、あの辺一帯を杉の森とあたしたちは呼んでいた。 土一升、金一升の土地に、杉の森という名はおかしいようだが、杉の森稲荷(いなり)の境内は

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 旧聞日本橋
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1983(昭和58)年8月16日