きずだらけのおあき
疵だらけのお秋

冒頭文

人間 お秋(26)その弟(16)沢子(22)秦(中年の仲仕)阪井(片腕の仲仕)初子(24)町田(25)杉山(36)女将客達仲仕達場 或る港の酒場(一) 沢子の室 六畳。それに続いて向かつて左の隅に三畳。おそい午後。まだ電燈がつかない。三畳の方は殆んど真暗である。六畳に沢子が寝てゐる。三畳の暗がりにお秋の弟が机に坐つて封筒張りをしてゐる。——紙の音がバサバサ聞える。間——沢子 (身じろぎをして、三畳

文字遣い

新字旧仮名

初出

「戦旗」1928(昭和3)年8~11月号

底本

  • 三好十郎の仕事 第一巻
  • 學藝書林
  • 1968(昭和43)年7月1日