よぎしゃ
夜汽車

冒頭文

「それで貴女(あなた)とう〳〵離婚(わか)れてしまいましたので……丁度、昨年の春の事で御座いました」 「まーとう〳〵。ほんまに憎らしいのは其女(あま)の奴(やつ)どすえなー、妾(わたし)なら死んでも其家を動いてやりや致(し)やしませんで、」 あんまり今の女の声が高かつたので、思はずわれも其話しの方に釣り込まれた。 我は少し用事があつたので神戸の伯母さんの家へ、暑中休暇に成るとすぐから行つて居

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 尾崎放哉全句集
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 2008(平成20)年2月10日