きゅうぶんにほんばし 18 かんだつけぎだな
旧聞日本橋 18 神田附木店

冒頭文

八月の暑い午後、九歳(ここのつ)のあんぽんたんは古帳面屋(ふるちょうめんや)のおきんちゃんに連れられて、附木店(つけぎだな)のおきんちゃんの叔母(おば)さんの家へいった。 附木店は浅草見附(みつけ)内の郡代——日本橋区馬喰町(ばくろちょう)の裏と神田の柳原河原のこっちうらにあたっている。以前(もと)は、日本橋区の松島町とおなじ層の住民地で、多く願人坊主(がんにんぼうず)がいたのだそうだ。

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 旧聞日本橋
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1983(昭和58)年8月16日