はいゆうへのてがみ
俳優への手紙

冒頭文

1 丸山定夫君—— 本誌演劇・昭18昨年十二月号に君の書いた「答えと問い」を読んだ。その中で君は、先頃から僕が君にあてて出した手紙に就て君の考えたことを述べている。 その真率な調子に、先ず僕は頭を下げた。しかもそこに書かれている事は、昨日や今日、ヒョイと思い附かれた即興的な感情では無く、永い過去から現在に至るまでの良心的俳優としての君が経験して来た事実から生み出された考え

文字遣い

新字新仮名

初出

「演劇」1943(昭和18)年4月号

底本

  • 三好十郎の仕事 第二巻
  • 學藝書林
  • 1968(昭和43)年8月10日