ちきのだいいちにん
知己の第一人

冒頭文

私が伊藤君に會つたのは、丁度明治三十三年の四月の一日でした。子規先生の根岸庵短歌會の席上でした。三月の下旬に始めて根岸庵を訪問して四月の一日に伊藤君に會つたのでした。が其の時は別段談話を交換することも無かつた。それから二三日經つて私が伊藤君を訪問しました。折よく居まして種々話をしましたが、其の時私の言つた事を非常に喜んでくれた事が今でも明かに耳に殘つて居ります。根岸の多くの同人中私の訪ねたのは伊藤

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「ホトトギス 第十六卷第六號」1913(大正2)年8月10日

底本

  • 長塚節全集 第五巻
  • 春陽堂書店
  • 1978(昭和53)年11月30日