おかしたもの
冒した者

冒頭文

人物 私須永舟木(医師)織子(その妻)省三(学生・舟木の弟)若宮(株屋)房代(その娘)柳子浮山モモちゃん       1 そうだ。もう芝居は、たくさんだ。いつまでやって見ても果てしの無い話だ。私たちの後ろにかくれて、私たちを踊らせている者がある。私たちはそれに気が附かずに、自分は自分の意志で自分のイノチを生きていると思って居る。そして自分を取りかこんだ観客から見られ、見られることで得意になり、セ

文字遣い

新字新仮名

初出

「群像」1952(昭和27)年8、9月号

底本

  • 三好十郎の仕事 第三巻
  • 學藝書林
  • 1968(昭和43)年9月30日第1刷